猿ト踊ル

映画・ドラマ・アニメなどのレビューもどきの所感ブログ

【映画レビュー】アーミー・オブ・ザ・デッド

f:id:ohsofunny:20210528125753j:plain

所感

ザック・スナイダー監督による、2004年公開『ドーン・オブ・ザ・デッド』以来17年ぶりのゾンビ映画

現実離れしたヴィジュアルを作り上げることで有名な同監督だけに、ゾンビに支配され荒廃したラスベガスは流石の一言。

それなのにストーリーはゾンビものとして王道というか、革新的ななにかはあまり見受けられなかったように思う。

とあることで街にゾンビが溢れかえる

目的があってゾンビのいる場所に潜入する

何人も死ぬ

脱出できたように見えて……

というのはゾンビ映画としては超王道だ。
「アルファ」と呼ばれる普通のゾンビとは違うスーパーゾンビみたいなのが出てくる程度で、本作も大まかな流れはほとんど王道だ。
序盤の流れはとても良かったのに、後半にかけてゾンビの王道に沿って話が進んでいくので「あぁ…まぁ、そうなるよね……」となるのが少し残念だった。

ただ、「傭兵が街に眠る莫大な金を奪いに行くも、街中にゾンビが蔓延っていて一筋縄ではいかない」という、クライムアクション的視点で観ると「敵がゾンビ」ということでひねられていて面白く感じた。

個人的にザック・スナイダーが監督・脚本を手掛ける作品はシリアスな雰囲気の中に突拍子もないギャグが潜んでいるというか、シリアスだからこそ突っ込まざるをえない要素があるのが特徴だと思っていて、過去作の『300 〈スリーハンドレッド〉』や『エンジェル ウォーズ』は観ていて「いやいやいや……(笑)」となるシーンがそれなりにあり、本作も似たようなシーンがたまに挟まれていると感じた。
噛まれたら終わりだというのにゾンビ相手にタイマンステゴロとかどんなヤンキー映画だよっていう。雰囲気はシリアスなシーンなのにギャグっぽくて自分は笑ってしまった。

f:id:ohsofunny:20210528125757j:plain

主役のデイヴ・バウティスタは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役でヒットした元プロレスラーで、体格を活かしたアクションシーンを求められることが多く、本作も元傭兵のゴリゴリマッチョという役柄となっている。
とはいえ、暴れまわるだけでなく娘との関係に悩む平凡な父親としての姿も描かれており、今までよりも演技力を求められる内容になっていたのが良かった。
「なんだ、こういう演技もできるのか」と感じたものだ。
本人は監督業にも興味があり、”ドラマチックで感動させるような映画”を撮りたいらしく、役者としてもそういう役を演じてみたいのかなと少し思った。
まぁ、マッチョが暴れているだけで個人的には満足なので今後も筋肉をぶん回して欲しい。

驚いたのは、ヘリ操縦士を演じていた役者がスキャンダルで出せなくなったため、後からCG処理でほかの俳優を出したことだった。
確かに言われてみればその役者単体のカットが多かったように感じる。
しかし言われなければ気付かないので、うまく処理したなと思ったものだ。

「金のかかった上質なB級」といった感じで、楽しめるっちゃ楽しめるのだが少し物足りなさも感じる本作。
スプラッター描写は最高なので、それ目当てに観るのはありかもしれない。

気になる終わり方であった本作だが、続編が製作されるかどうかは未定(監督は続編の構想があるらしい)。しかし、前日譚が描かれるスピンオフが製作されるのは決定しているとのことで、そちらを楽しみにしようと思う。

予告動画

youtu.be

評価

点数(10点満点):6(それなりに楽しめる)

概要

視聴はこちらから:
Netflix

公開年:2021年