猿ト踊ル

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【映画レビュー】サンダーフォース 〜正義のスーパーヒロインズ〜

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所感

中年女性2人が手に入れたスーパーパワーを使い、シカゴの街を荒らす悪い奴らを倒す痛快アクションコメディ。
正直それ以上でもそれ以下でもなく、面白いかと問われたら「うーん……いやぁ……」という感じだ。

主演のメリッサ・マッカーシーは、2016年リブート版『ゴーストバスターズ』で喋りだしたら止まらないお調子者のオバサンという記憶があったが本作でも基本的には同じ。
調べてみたら2013年のサンドラ・ブロックとバディを組んだ『デンジャラス・バディ』の人だったのでなるほどと合点がいった。この人は基本的にはどの映画でもひたすら喋り倒すキャラを演じることが多いのだろう。

もう1人の主演であるオクタヴィア・スペンサーは申し訳ないことに覚えていなかったのだが、wikiを見たら『ダイバージェントNEO』や『スノーピアサー』など観たことある映画に出ているようだった。
また、気になっている『マー -サイコパスの狂気の地下室-』で主演を努めているので今度観てみようと思う。

本作の世界設定は結構ガバガバで、宇宙線を浴びたごく一部の人たちが超能力を得たことによって「ミスクリアン(悪漢)」と呼ばれた、という入りから物語が始まるのだがなぜ超能力を得た人たちは悪者しかいないのかという下りはないし、超能力を得た人たちがほんとにごく一部すぎて全然出てこないしで、もっと他に良い設定は思いつかなかったのかと問いたい。
ただこれがコメディ映画という前提で見たらこのような問題は些末なもので、とりあえず超能力が出てくる世界設定にしたので1分で考えましたと言われてしまえば「コメディだしいいか」となってしまう。

その割には中途半端にシリアスな部分も入れてこようとしており、そのバランスがうまく機能していないため本作は凡作になってしまったのだろう。

主役2人は近年のハリウッド映画のアンチテーゼのような設定となっており、

  • 中年女性がパワーを手に入れる
  • 2人とも肥満体型
  • 白人は底辺の仕事で黒人は大成功
  • 黒人のほうはシングルマザー

といった具合だ。
ここまでてんこ盛りだと流石に狙っているとは思うのだが、「ここまでやるの面白いでしょ」というメタ的な視点でのネタなのかどうかが映画を観ただけでは判断できず、これが社会風刺的に描きたいのか、ただ逆張りで描いているだけなのか、いまいち判断が難しい。

なぜ判断が難しいのかというと、シナリオ自体はハリウッド特有のご都合主義で、あえての逆張りだとしたらそこがおかしいし、社会風刺だとしたらそこを押し出しているわけではないのでメッセージが弱い。

とにもかくにも中途半端なのだ。

CGは結構頑張っていたし、主演2人の演技は素晴らしい。
だがシナリオが中途半端過ぎて常に軽くスベっている状況が最初から最後まで続く。
Netflixオリジナルを網羅したい」という理由で見るのなら止めはしないが、「スーパーヒーローものが観たい」という人にはおすすめできない。

予告動画

youtu.be

評価

点数(10点満点):4(つまらない)

概要

視聴はこちらから:
Netflix

公開年:2021年