【映画レビュー】スパイダーマン: スパイダーバース
所感
本作を観終わったとき、私はこう思った。
失敗した――なぜ私は、この傑作を劇場で観なかったのだろうと。
スパイダーマンの映画として、だけでなく。
アメコミヒーロー映画として、だけでなく。
純粋に映画として、歴史に残る大傑作だった。
この凄さをどう伝えればいいのか、語彙力がなくて申し訳ないが、絵も音楽もストーリーもすべてが良かった。
今はCGが発達してコミックの雰囲気を実写で出せるようになったが、本作はアニメだからこその演出にこだわっており、製作が”コミックでの表現を映画のスクリーンに落とし込む”と言っている正にその通りだと感じた。
「アニメだからこその演出」とは書いたが、本作自体は3DCGで作画した後に手描きならではの要素が追加されており、あえてぼかしがあったり、CG臭を消すために鮮明に描いてなかったりと今までにない演出がなされている。
これは本当に映像を見てもらうしかない。予告でもいいので一度見てもらいたい。「これは今までのアニメとは違うな」とひと目でわかる。
スパイダーマンの映画といえば、サム・ライミ版から2回のリブートによってストーリーや世界が変わることが日本でも知られていると思うが、だからこそ本作の「平行世界のスパイダーマンが登場する」というストーリーが受け入れられやすかったように思う。
マーベルの世界では「アース◯◯◯」といって、同じヒーローでも違う世界の出来事を描いていて、例えば原作の正史はアース-616、MCUの世界はアース-199999といった感じなのだ。
そして映画ではほかのマーベル作品と違い何度もリブートしているスパイダーマンだからこそ、この形は受け入れられやすかったのだろう。
また、アニメなのも良かった。
日本のアニメ調のキャラクターであるペニー・パーカーは実写だと上手く表現できなかったように思う。
SP//dr可愛いよSP//dr。
この凄さを上手く伝えられずもどかしいが、とにかくとてもすごい映画なのだ。
本当に全人類一回は観てほしい。
私はNetflixで観たが、UHD-BDを買ってもう一度高画質で見直そうと思う。
なるべく高画質で、4K画質で観られる環境があるのであればそちらで観ることをおすすめする。
2022年に続編が公開予定なのでそれを楽しみにしているのだが、続編公開に合わせてどこかの名画座で上映してもらえないだろうか……。
予告動画
評価
点数(10点満点):10(最高傑作)
概要
視聴はこちらから:
・Netflix
公開年:2018年