猿ト踊ル

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【映画レビュー】プロジェクト・パワー

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所感

ジェイミー・フォックスジョセフ・ゴードン=レヴィットのW主演によるNetflixオリジナル映画。
“パワー”と呼ばれる謎のドラッグを巡る物語で、わかりやすい伏線に派手なVFX、脳を使わず観れる楽しいアクション映画だった。
こういうのでいいんだよ、こういうので。

本作には生まれながらのスーパーヒーローは出てこず、一般人がドラッグを摂取することでパワーを得るということなのだが、あくまで”ドラッグ”なので流通は裏ルート、手に渡るのは犯罪者という形になっているのが面白い。
このドラッグ自体も流通し始めたばかりということで犯罪者側もそこまで使いこなせておらず、また発現するパワーもランダムで下手したら爆発して死ぬというリスキーな部分があり、今までのスーパーヒーローものと一線を画している。
DCやMARVELのアメコミ映画がヒットしたおかげでスーパーヒーローものに多様性が出てきており、本作はその恩恵を大きく受けていると感じた。

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主演2人の演技はさすがの一言。
ジョセフは警官としてパワーを追いかけつつも、対抗するためには同じ力が必要だということでパワーを使う型破りな役で、どちらかというと『インセプション』のアーサーのようなスマートな印象の強いジョセフの、本作のような荒々しい役は珍しいように感じた。(まぁ『G.I.ジョー』や『キルショット』のように悪役、チンピラは過去にも演じてはいるのだが)

そしてなにより”ロビン”役のドミニク・フィッシュバックが良い演技をしている。
彼女は病気の母親のために薬の売人をしている学生として出てくるのだが、いい味出してる。手っ取り早く金を稼ぐために悪事に手を染めたせいで事件に巻き込まれ、怖い思いをしたにも関わらず最後まで付き合ってしまうのは彼女の根が善人だからなのだろう。その切替をドミニクは上手く演じている。
物語としては「子供がこんな危険なことを……」とは思うのだが、どうにも主演2人は脳筋な部分があるので、劇中では彼女の機転に助けられることが多く、最後の場面でのMVPは彼女だったりする。

ご都合主義な部分は目立つが、冒頭で述べた通りアクション映画はこれくらいガバガバな展開で良いと思っている。
画作りが派手で綺麗で、カタルシスが解放されれば良いのだ。
そういう意味で本作は、頭を使うことなく楽しめる作品としておすすめである。

予告動画

youtu.be

評価

点数(10点満点):8(おすすめ)

概要

視聴はこちらから:
Netflix

公開年:2020年