猿ト踊ル

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【ドラマレビュー】アンブレラ・アカデミー シーズン1

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あらすじ

ある日、世界中で同時に生まれた子どもたち。奇特な資産家であるハーグリーブス卿は彼らを養子として集め育てるのだが、実は彼らは特殊能力を持っていて、後々「アンブレラ・アカデミー」というスーパーヒーローチームを組んで様々な事件を解決していく。 しかし時が経ち、大人になった彼らは家を離れ、それぞれの生活を送っていたのだが、ハーグリーブス卿が亡くなったことをきっかけに実家に集まったところから物語は始まる――。

所感

音楽の使い方がとても印象的で、Netflixらしい洒落た演出が光るドラマ。

少し前のNetflixオリジナルドラマは、イッキ見前提の作りだったのかあまりにもテンポが悪くて序盤で飽きていたけれど(正直ストレンジャー・シングスは途中で飽きた)、本作は最序盤からテンポよく進むので最後まで見ることができた。

アカデミーの彼らは”不仲”のため、最初から衝突を繰り広げるのだが、大きく事件が動いた終盤になってもお互いが譲らずぶつかりあっているのは「いやいや君たち一旦冷静になろうよ」と言いたくなってしまう。
だが、それは裏を返せばそこまで自分の考えに固執してしまうほどの過去があったのだな、というのが垣間見える。
「もうちょっと歩み寄れよ!」という思いと、「でも仕方がない部分もあるよね……」という思いとが交差するのだが、これはアカデミーのメンバーが6人というのが絶妙で、個々の確執・軋轢がうまく絡み合っているからこそ上手くドラマチックになっているというか、バランス良く描かれているなぁと感じた部分だ。

個人的にはアカデミーの面々より、彼らを狙ってくるチャチャ&ヘイゼルのコンビのほうが気に入った。
完全な悪者というわけではなく、彼らにも狙う理由があり、仕事があり、人生がある。その描かれ方がいかにも海外ドラマっぽくて良い。スピンオフで彼らの活躍をもっと観たいと思った視聴者は自分だけではないだろう。

序盤からの謎であり、終盤で明らかになる“ナンバーセブン”ことヴァーニャの秘密に関しては、正直ある程度予想はできて、それは大きく外れることはなく「まぁそうだよね」となったのだが、これは映画やドラマをよく見てる人なら誰でも想像できる形だったと思う。
原作がアメコミらしい、実に中二病な感じであった。抑制された力の解放シーンはやはりカタルシスがある。

続編ありきの終わり方なのが不満。海外では”クリフハンガー”と呼ばれるシーズンエンドの作り方があり、最初からシーズン2を作るつもりだったのだろうが、それでもシーズンごとに一応の終わりを見せてほしかった。
本当にもう、「これから最終章が始まる!」といった感じで終わる。あと1話あるのではないかと思ったくらいだ。自分が見たときにはシーズン2が配信されていたからいいが、シーズン1配信当初に見ていたらもっと不満が募っていたと思う。

とはいえ、最後まで楽しく観れたのは事実。終わり方だけ納得いかなかったものの、打ち切りではなくしっかりと続きがあるのでまだ楽しめると考えるほうが良いのだろう。

予告動画

youtu.be

評価

点数(10点満点):8(おすすめ)

概要

視聴はこちらから:
Netflix

公開年:2019年